heyhey8923のブログ

完全ど素人が若さと勢いだけで挑む登山記録

【北アルプス】(第三部)穂高縦走〜圧倒的なスケール、3000mの世界〜


奥穂高岳、前穂高岳〜吊尾根を経て〜(Day3)

バタバタバタバタ
テントを打つ雨の音で目を覚ます。

時計は20時を指している。


雨が降り出して、テントに待機してから
かれこれ4時間が経っている。


17時の予定であった晩ごはんも雨のせいで
中断になったままである。


バタバタバタバタ
何もかも、あらゆることへのモチベーションを削ぐ
その音の中で
僕はもう一度、まぶたを閉じるのであった。

東の空が白み始めています。
結局、昨夜は夜遅くまで雨が止まず、
夕食はカロリーメイトと羊羹で済ませました。


そんな最悪の晩餐と断片的な睡眠を乗り越えた我々を
励ますかのように、この限られた東の空だけ雲が抜けています。


Am5:40
まだ薄暗い時間帯に我々は奥穂高岳へと歩み始めます。
この縦走の最終日にして、最難日の山行の始まりです。


はい、いきなり山頂です。
・早朝で頭が働いていないこと。
・昨日のお昼からロクな食事を摂っていないこと
・ガスと強風で余裕がないこと
以上の3点が道中の写真がない理由でございます。


文字に起こしますと、
基本的には岩場が続きます。
が、3点支持を要するような箇所はあまりなく、
今回登った4座の中では比較的登りやすかった感じがします。


奥穂高岳を抜けると、
西穂高岳と前穂高岳方面の分岐があります。
ここで、西穂高岳方面に行きますと、
あのジャンダルムがあるのです。


3年以内には行ってみたい、いや、行くと。
はやる気持ちを抑え、前穂高岳を目指します。


ひょええええええええーーーーーーーー!!
前穂高岳までの難所、吊尾根が姿を現しました。
かっこよすぎます。
この尾根をトラバース気味に進んでいきます。


Pei氏at吊尾根withガス
Pei氏の写りは本当に様になります。
どこかの登山雑誌の表紙を飾れるんじゃないかというくらい。


奥穂高岳から吊尾根を進むと、
すぐに鎖場が連続します。
恐らく、この序盤の連続する鎖場、岩場が吊尾根の核心部です。


テント泊装備が応えます。
カロリー不足が応えます。
3日間で溜まった疲れが応えます。


難所を越えると、雲も抜け、
西穂高岳、ジャンダルムが姿を現しました。
「絶対、登ってやるからな」
Pei氏の心の声が聞こえてきます。


いや、本当に綺麗です。
こういう景色を目にすると、
今日、下界に帰ることが心から寂しく感じられます。


右奥の一際目立つ山容は焼岳です。
北アルプス唯一の活火山であり、日本百名山にも選定されています。
日帰りで登れる北アルプスでは珍しい山であり、
北アルプス入門として、初心者の方にも人気があります。


焼岳に登り、上高地で静かな週末を過ごす。
などと、来年のプランを練りながら吊尾根を越えていきます。


この写真の中に何かが隠れています。


そう、ライチョウです。
初めてのライチョウに興奮を隠せず、シャッタータイミングを間違えてしまいました。


ライチョウめたことだし、前穂高岳にアタックします。
山頂直下では、晴れ間も覗くことがあったので、
山頂では晴れていることを願ってアタック開始です。


前穂高岳は岩場が多い上に、鎖、杭など
補助的なものがないので、
3点支持で慎重に登っていきます。


足を滑らすと、ただでは済まないような箇所もありました。
また、昨夜までの雨のせいで、岩場が濡れており、滑りやすくなっていました。


そして無事に前穂高岳登頂。
これにて、穂高4座、無事に登頂成功です。
あれ、天気…。
4座制覇し、4座ともガス。
先月登った槍ヶ岳含めて、北アルプス5座ともすべてガス。
見事、ガス男の称号を手にしました。


重太郎新道を経て上高地へ(Day3)


そして、山頂から下りてきた瞬間にこの天気。
これもガス男の能力の一つです。


ここらで一杯いきたいところですが、
一息つくのはまだ先の話。
これから、穂高連峰で遭難者が最も多い箇所の一つとされる
重太郎新道を下らなけらばなりません。


黄緑のヘルメ。
赤のウェア。
青のザック。
何処かの国の信号機みたいな組み合わせです。


重太郎新道は、今田重太郎が開拓した登山道であります。
その散歩道のような名前とは裏腹に、
実際は、急登、鎖場、岩場、梯子が随所に存在する難ルートです。


長い鎖場が続きます。


手が写ってしまってます。
初めは、鎖場、岩場などスリリングなコースにワクワクして
楽しんでいたのですが、
後半は3日間の疲れと、食事抜きからのエネルギー不足で、
足を滑らせたりするなど、
完全にガス欠状態に陥ってしまいました。


ただひたすら、岳沢小屋まで歩き続けます。
本当にこの2時間が最も辛かった。


終いには、
「重太郎、もっと道舗装しとけよな」
などと、重太郎にやつあたりする始末です。


遂に岳沢小屋に着きました!
そして、待ちに待った食事です。


本当はカニクリームパスタが食べたかったのだけども、
売り切れでビーフカレーを選択しました。


それにしても山中でカニクリームパスタなんてオシャレなメニュー
いったい誰が思いついたのだろう。


このビーフカレーがとてもとてもおいしい。
24時間ぶりに食べる贅沢なエネルギー補給を済ませた
我々は15:40発のバスに間に合わすべく上高地へ急ぐのだった。


14:30 上高地着
下界に帰ってきたお祝いは
生ビール&山賊焼き。


旅の締めにPei氏持参のコーヒーを頂いて、バスに乗り込みます…。


終章

旅を無事に終えて…。
初のテント泊、初の本格的な縦走ということで多少なりとも不安はありましたが、
Pei氏、リーダー氏の二人の強力なサポートもありまして、
無事に3日間を良い思い出として残すことができました。


また、今回の旅は、自身の装備を見直す良い機会にもなりました。
レインウェアの下、小型ランタンなど。
お財布にも相談しながら、装備の充実を図っていきたいと思います。


そして、何より、このようなしょーもない登山記録を最後まで読んでいただいたみなさん、本当にありがとうございます。


今後、みなさんにより快適に当ブログを楽しんでいただけるよう、レイアウトなどシステムの改善に努めていきますのでこれからも宜しくお願いします。


ではまた次の旅でお会いしましょう。